「高級アルコール系＝刺激が強い」という考え方は誤りです。例えば、高級アルコールの一つであるラウリルアルコールは、ヤシの実から得られます。ヤシの実石鹸などと言われると喜んで使用する人が、高級アルコールと聞くと危険だと感じるのは誤解であると言えます。確かに、高級アルコール系の一つであるラウリル硫酸塩は脱脂力が強く、一部の人々にはピリピリとした感覚を引き起こすことがありますが、十分なリンスを行ったり、使用量を調節したりすることで、その刺激を和らげることが可能です。言葉のイメージだけで判断しないようにしましょう。
「ボタニカル〇〇」と一般的に呼ばれる製品は、植物由来の成分を含んでいますが、その基準や定義は厳密には定められていません。そのため、どの製品でも「ボタニカル〇〇」という販売名を付けることが可能です。 ボタニカル成分、つまり植物由来の成分であれ、動物由来の成分であれ、合成成分であれ、それらが毛髪や頭皮に与える影響は多種多様であり、その影響には個人差も存在します。 ボタニカル成分が含まれているからといって、すべての製品が安全であるとは限らないことをご理解ください。製品を選ぶ際には、成分表示や製品のコンセプトを参考にし、自身の毛髪や頭皮の状態、使用目的に合ったものを選ぶことが重要です。
最新の研究によれば、脂質やコレステロールの摂取量が多く、食物繊維の摂取量が少ないと、髪のキューティクルが損傷する可能性があると報告されています。また、栄養不足は髪の健康にも影響を及ぼします。例えば、タンパク質やエネルギーが不足すると髪が抜けやすくなり、ビオチンや亜鉛が不足すると髪の色がまだらになり、銅やビタミンCが不足すると髪がちぢれ、ヨウ素が不足すると髪が乾燥し、生え際が後退する可能性があります。 これらのことから、特定の食品が髪に良いというわけではなく、無理なダイエットや偏食が脱毛を引き起こす可能性があるため、バランスの良い食事を心掛けることが重要であると言えます。
女性の場合、一定の面積あたりの硬毛（40ミクロン以上の太さを持つ毛髪）の数が薄毛に大きく関わります。40代を過ぎると、硬毛の数は明らかに減少し、特に頭頂部の減少が後頭部と比べて顕著です。 毛髪が細くなると、毛髪の皮質（コルテックス）の量が減少します。その結果、ダメージを受けていなくても、水分を保持する能力が弱まり、髪の毛がパサつく感じが出ます。 さらに、毛髪が細くなると、若い頃と比べて髪の毛のコシがなくなります。そのため、セットした髪型が崩れやすくなり、髪の毛が歪んだように感じることがあります。
白髪が生える際に頭皮がかゆくなるという現象は、白髪自体ではなく、円形脱毛症の回復期に経験する人がいます。円形脱毛症は、免疫機能が誤って自分の毛穴を敵と認識し、リンパ球が集まる症状です。その症状は時間が経つと落ち着きますが、そのリンパ球の影響で、敏感な人はかゆみを感じることがあります。ただし、これには医学的な根拠は存在しません。
円形脱毛症や白斑症などで、初めは色素細胞の再生が遅れているものの、後にしっかりと再生するケースや、一時的に甲状腺機能が低下して白髪が増えたが、治療により体調が改善したケースなどでは、黒髪に戻ることがあります。しかし、加齢による白髪の場合、現在の医学的手法では黒髪に戻すことはできません。
実際に、産後に白髪が増えたり、髪の色が薄くなったりする人は存在します。これは一時的な現象で、時間が経つと元に戻ることが多いです。しかし、最近は不妊治療の進歩により高齢での出産が増えており、その結果、妊娠や出産のリスクが高まっています。これにより、産後に髪質が変わり、元に戻らない人もいます。しかし、産後に必ず白髪が増えるわけではありません。加齢による変化も同時に進行していることを理解しておくことが重要です。
薄毛や抜け毛と比較して、髪質や髪のクセなどと同じように、白髪はある程度遺伝に影響を受けると考えられています。両親が早くから白髪が生えていたり、白髪の量が多かったりする場合、自身も同様の傾向がある可能性があると自覚しておくと良いでしょう。
頭皮が薄くなるのは、加齢による自然な変化であり、誰でも経験します。これにより、一部の人々は頭皮が張ったり、刺激を感じたりすることがあります。しかし、これが白髪を引き起こすわけではなく、白髪染めがその原因となるわけでもありません。白髪染めが影響を及ぼすのは、髪そのものであり、定期的な使用により髪が傷み、ツヤが失われる可能性があります。また、加齢により髪がうねることも覚えておくと良いでしょう。
これについては様々な説が存在しますが、医学的な証拠はまだありません。ただし、男性でも女性でも、おでこから耳にかけての生え際が白髪になりやすいという傾向が個々に見られるのは事実です。また、頭頂部や後頭部にも白髪は生えていますが、それらは目立ちにくいかもしれません。白髪が特定の部位でよく見られる理由については、現在でも完全には解明されていません。
白髪を抜くことはおすすめできません。その理由は、その毛根の色素細胞は既に衰えており、結局、再び生えてくるのは白髪だからです。 さらに、抜き続けると、その部分から髪が生えなくなる可能性があります。年を重ねると、自然と毛量は減少します。そのため、抜くよりもカラーリングをして、元の髪の一部として扱うことをお勧めします。それでも気になる場合は、根元からハサミで切ることをお勧めします。
白髪染めの色落ちの期間は、人により大きく異なります。髪の毛が細い人は色が入りやすいが落ちやすく、髪の毛が太い人は色が入りにくいが、一度入ると落ちにくいなど、個々の差が大きいです。しかし、髪の毛が太い人でも、日光の紫外線や市販のシャンプーなど、洗剤力の強いシャンプーを使用すると、色落ちしやすくなるので注意が必要です。しかし、もちろん、白髪染めを長持ちさせる方法もあります。暗めのカラーを選び、美容室で主に使用されている髪や頭皮に優しい成分が含まれたシャンプーを使用し、美容室で販売されている洗い流さないトリートメントをドライヤーで乾かす前に使用する、これらの3つの方法を試してみてください。これらを行えば、色は落ちにくくなります。